建設業許可と建設業法⑭ 建設業許可の業種判断について1!

お疲れさまです、8月も残り10日程になってきました。
夏にしわすれたことがあるならば、この夏のうちにトライしてみてくださいね。
出来ることはその日のうちに、どんな一歩でもいいので踏み出してみてください、自分的にはとても大切にしていることです。 ご賛同いただける方は一度試してみて下さい!

本日は、建設業許可の業種についてです。
許可を取る際に、この業種というのはほんとーーーうに迷う、厄介なものです!

皆さんが持っているであろう疑問を含めて、業種の選択に迷われたとき、少しでも参考になるお話ができたらと思います。

1.業種の判断はなぜ必要なのでしょうか?
建設業許可には29種類の業種があります、500万円以上の工事を請負うためにはその業種ごとに許可を取得しなければならないのです。
許可を取る業種というのは大事になってきますね!

例えば、「とび・土工工事業の許可」を持っていれば、とび・土工・コンクリート工事で500万円以上の工事を請負うことができます、しかし500万円以上の解体工事を請負うことはできないのです。 許可を持っていない業種の工事については500万円未満の軽微な工事しか請負うことができません、仮に500万円以上の工事を請負ってしまうと、無許可営業で建設業法違反になってしまいます。

また、この建設業の許可の業種判断は、自ら工事を請負う場合だけ注意していればいいというものではありません、あなたが元請業者の場合、下請けに500万円以上の工事を発注する際、下請け業者がこの工事を請負うことが出来る業種の許可を持っているのかをしっかりと判断しなければいけません、 判断を誤って請負うことが出来る許可を持っていない下請業者に発注したら、あなたは建設業法違反の監督処分の対象になる可能性があります。
この建設業許可の業種判断は、元請・下請に関係なくすべての建設業に関わる人にとって大事なものなのです。

2.業種の判断基準
ではどのように「業種判断」をしていったらいいのでしょうか?
1~3の判断基準をご用意してみました、まずはステップ1の判断基準をみて業種を判断してみましょう。

(1)ステップ1
「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)」から判断してみましょう。
国土交通省のホームページにある「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)」を参考にして判断する方法です。 この資料で請負おうとする工事がどの業種に該当するかを判断できれば、あなたが許可を取ろうとする業種を決めることができます。

ただし、請負うとしている工事に複数の業種が含まれていて判断が難しい場合などは、次のステップ2以降を参考にしてください。

『業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)』の見方、業種判断の方法は下記の要領で進めていくと良いと思います。

業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正) 」は、上記又はコチラをクリックすれば見ることができます。または「国土交通省のホームページ」⇨「土地・不動産・建設業」⇨「建設業関連・ガイドライン等」⇨「 業種区分、建設工事の内容、例示、 区分の考え方( H29.11.10改正) 」で見ることができます。

「業種区分、建設工事の内容、例示、区分の考え方(H29.11.10改正)」 一覧の詳細については国土交通省HPより見ていただくとして、ここからは見方・判断方法を説明しておきます。
「左官工事」の場合を見てみましょう。

建設工事の種類
(建設業法別表)
昭和46年制定
建設工事の内容
(告示)
建設工事の例示
(建設業許可事務ガイドライン)
建設工事の区分の考え方
(建設業許可事務ガイドライン)
左官工事 工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事 左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事 ・防水モルタルを用いた防水工事は左官工事業、防水工事業どちらの業種の許可でも施行可能である。
・ガラス張り工事及び乾式壁工事については、通常、左官工事を行う際の準備作業として当然に含まれるものである。
・「左官工事」における「吹付け工事」とは、建築物に対するモルタル等を吹付ける工事をいい、「とび・土工・コンクリート工事」における「吹付け工事」とは、「モルタル吹付け工事」及び「種子吹付け工事」を総称したものであり、法面処理等のためにモルタル又は種子を吹付ける工事をいう。

業種が「左官工事」に該当するかは、まずは左側の項目から見て判断をしていきます。「建設工事の内容」「建設工事の例示」「建設工事の区分の考え方」の順番です
特に「建設工事の区分の考え方」で判断に迷われた場合には、似かよって迷う業種とどう区別していくかが記載されています、業種判断にはとても参考になる資料だと思います。

(2)ステップ2
◆1件の工事に複数の業種が含まれている場合

ステップ2では、1件の工事に複数の業種が含まれていてどの業種になるのかの判断がつかない場合の判断方法です。つぎの2つのケースが考えられると思います。

①大きな専門工事と小さな専門工事がはっきりしている1件の工事の場合(主従関係が明確な場合)

上記の様に1件の工事にA・B・Cの3つの業種(専門工事)がある場合、主従関係を見てみましょう、この様にAが主でBCが従の関係であれば、ABCすべての許可は必要ありません、主であるAの許可があればこの工事を請負うことができます

②主従関係が明らかでない複数の業種がある1件の工事の場合

上記のように1件の工事に、ABCDFの5つの専門工事がありますが、主従関係が明らかでない場合は、一式工事であるかないかを考えます、これがステップ3です。
ただし、一式工事は原則元請業者が請負う工事です、基本下請で請負う場合は一式以外の27業種の専門工事から業種を選択することになります。

(3)ステップ3
③一式工事に該当するかを判断します
1件の工事に複数の専門工事があって、そこに主従関係が明らかでない場合は一式工事に該当するかを考えてみます、この工事が「総合的な企画、指導、調整のもとに」行われる工事であれば一式工事になります。

ステップ1~3を活用することで、業種を判断することは可能になってくると思います。
しかし
これはあくまでも判断するための一つの方法になります。
業種判断に少しでも迷われている或いは不安がある場合、必ず許可を取る行政庁に相談・確認をしてください、許可を取ってから間違っていたでは済まさせませんから…!

本日は以上です、許可の業種判断についてでした、少しは参考になったでしょうか?
次回も、迷われる業種判断について具体的にお話をしていきたいと思います。