建設業許可と建設業法の関係②

 お疲れさまです、本日は第2回です。
建設業許可と建設業法の関係をもう少し掘り下げてみたいと思います。

建設業許可について建設業法ではどんな決まりごとがあるのかを見ていきたいと思います。
まずは、500万円以上の工事と大臣許可と知事許可についてです。

1.建設業許可が必要な500万円以上の工事とは?
建設工事における請負金額とは、契約書に記載されている金額だけをいうわけではありません、勘違いされている方がいらっしゃいますのでよ~く注意してくださいね。

建設業法施行令 第一条の2(建設業法第三条第1項ただし書の軽微な工事) 第3項に下記の様に書かれています。

 注文者が材料を提供する場合においても、その市場価格又は市場価格及び運送料を当該請負契約の請負金額の額に加えたものを第1項の請負代金の額とする

つまり、注文者が工事に必要となる材料を用意・提供した場合は、提供された材料の価格(市場価格)と材料の提供に運送費がかかった場合はその運送費も請負金額に含めなければならないということです。

例えば、請負契約の金額は450万円ですが、注文者から100万円の資材提供があった場合、この工事の請負金額は550万円になります、当然建設業の許可が必要ということになりますね!

ここで1つ判断に迷う業種があるのでご紹介しておきます。建設業許可の中に「機械器具設置工事」という業種です、機械器具を設置する工事になります。
あまり現実的ではないかもしれませんが、注文者が設置する機械器具を用意した場合その機械器具も請負金額に入るのかということです。
結論は入ることになります。機械器具設置工事は機械器具を設置する工事です、機械器具がなければ工事はできません、つまり機械が材料に当たるのです。当然機械である材料の代金は請負金額に含まれることになります。

では、元請業者から貸与される機械は請負金額にはいるのでしょうか? 貸与される機械は建設工事の材料ではありません、したがって請負金額には入らないことになりますね。

2.国土交通大臣許可と都道府県知事許可の違いは?
建設業許可には、「国土交通大臣許可」と「都道府県知事許可」という2つの種類の許可があります。

建設業法 第3条(建設業の許可)に、
建設業を営もうとする者は、次に掲げる区分により、この章で定める所により、ニ以上の都道府県の区域内に営業所(本店又は支店若しくは政令で定めるこれに準じるものをいう。以下同じ)を設けて営業する場合にあっては国土交通大臣の、一の都道府県の区域内にのみ営業所を設けて営業する場合にあっては当該営業所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負うことを営業とする者は、この限りでない、以下省略
とあります。

つまり、営業所が2つ以上の都道府県にある場合は「国土交通大臣の許可」が、営業所が1つの都道府県にだけある場合は「都道府県知事の許可」が必要ということになります、決して「都道府県知事許可」で県外の工事をすることができないということではありません、「都道府県知事許可」を持っていれば全国どこでも建設工事を行うことができますよ。

◆建設業法でいう「営業所」とは?
建設業法施行令 第一条(支店に準じる営業所)に
建設業法(以下「法」という。)第三条第1項の政令で定める支店に準じる営業所は、常時建設工事の請負契約を締結する事務所とする。
とあります。
つまり、支店・営業所などの名称に関係なく、常時建設工事の請負契約を締結することが出来る事務所であれば、建設業法でいう営業所に該当することになります、営業所とは請負契約を締結する権限が与えられていなくてはならないということです。
作業の場としてだけ使用する目的で営業所を設置していても、その営業所は建設業法上は営業所としてカウントされないことになります。

本日は以上です、お付き合いいただきありがとうございました。
次回は、営業所と大臣許可・知事許可の関係をもう少し掘り下げてみたいと思います。