こんにちは! お仕事・家事にお疲れさまです。
お忙しい中、当ホームページをお読みいただきありがとうございます。
お読み頂いている「お知らせ」は、現在、建設業許可と建設業法に関係することを発信しています。建設業に関わる方々にとって少しでも参考になることが発信できたらと思っています。
本日は、元請さんと下請さんの関係のパート3です。
請負契約書に必ず明記しなければならない『支払い』についてお話をしていきます。
1.支払い? いつも「月末締めの翌月末払い」にしているけど…?
元請さんとお話をしていると、支払いについて請負契約のたびに決めるのはめんどくさいから、下請さんにはいつも「月末締めの翌月末払い」にしてもらっているんだということをお聞きすることがあります。
このようなお話が出たときには、おせっかいとはわかっているのですが、元請さんには耳が痛いことをご助言をさせて頂いています。
お支払いについても注意しなければならないことがあるのです。「建設業法の第24条の3」に次のようなことが書かれています。
【建設業法24条の3(下請代金の支払い)】
第二十四条の三 元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払を受けたときは、当該支払の対象となつた建設工事を施工した下請負人に対して、当該元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合及び当該下請負人が施工した出来形部分に相応する下請代金を、当該支払を受けた日から一月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければならない。
2 前項の場合において、元請負人は、同項に規定する下請代金のうち労務費に相当する部分については、現金で支払うよう適切な配慮をしなければならない。
3 元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。
建設業法では、元請さんの支払いについていろいろなことを決めています。
支払期間については、
24条の3の第1項で、「元請さんは、下請さんから工事が完成した後に支払いを受けたときはもちろんのこと、出来形部分に対する支払いを受けたときにおいても、その相当分の下請代金を、支払いを受けたときから「1ヶ月以内でかつ、できる限り短い期間内」に支払わなければならないと決まています。
そして第3項では、前払金に関しても触れています。元請さんが注文者から前払金を受けているときは、下請さんが工事のために必要な資材購入、労働者確保など費用を前払金として支払うよう努めなければならないとしています。
第2項では、下請さんに支払う「労務費に相当する部分」は現金で支払うように努めてくださいと言っています。
建設業の方々とお話をしていると、支払いは現金でなければいけないと思っている方が多いです。きっと「国土交通省の建設産業における生産システム合理化指針」などによって、下請さんへの支払はできる限り現金にしましょうと周知したからではないかと思います。
現金の方が下請さんも助かるので現金支払いは私も大賛成ですが、「建設業法」では支払いは現金でしなければならないとの規定はありません。
しかし、下請さんも材料・従業員の給料など支払いが大変です。元請の皆さん、下請さんへのお支払いはできる限り現金で支払うようにしてくださいね、よろしくお願い致します!
建設業法で言っている「現金」の定義なのですが、キャッシュのほか、銀行振込、小切手などすぐに現金化できるものを言っているようです、ご存知だとは思うのですが加えておきますね。
◆では、冒頭出てきました元請さんの「月末締めの翌月末支払い」と言うのは建設業法違反になるのでしょうか?
結果は、建設業法違反になる可能性があるということです。
例えば、下請さんから9月1日に支払いの請求を受けたとすると、月末締めの翌月末支払いだと9月末締の10月末の支払になります、支払いを受けてから支払いまでに1ヶ月以上かかってしまいます、そうなると建設業法違反になってしまします、支払いを受けてから支払日が1ヶ月を超えてしまわないように注意してください。
2.支払いに関する特定建設業者の支払の決まりごと!
特定建設業者の支払の決まりごとはもっと厳しく建設業法で決められています。
「建設業法第24条の6第1項」に次のように書かれています。
【建設業法24条の6(特定建設業者の下請代金の支払期日等)】
第二十四条の六 特定建設業者が注文者となつた下請契約(下請契約における請負人が特定建設業者又は資本金額が政令で定める金額以上の法人であるものを除く。以下この条において同じ。)における下請代金の支払期日は、第二十四条の四第二項の申出の日(同項ただし書の場合にあつては、その一定の日。以下この条において同じ。)から起算して五十日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内において定められなければならない。
※建設業法24条の4第2項の申出の日とは、「引渡しの申出日」のことです。
つまり、特定建設業者である元請さんは、下請さんの「引渡しの申出日」から50日以内に下請代金を支払わなければならないということになります。
ただし、 「下請契約における請負人が特定建設業者又は資本金額が政令で定める金額以上の法人であるものを除く」とあるように、下請さんが特定建設業者又は資本金額が4,000万以上の法人(一般建設業者、特定建設業者の区別はありません)である場合は、この50日以内の対象にはなりません。
なお、特定建設業者の元請さんは、下請さんから完成払いや出来形払いを受けたときは、元請人の義務として「支払いを受けた日から1ヶ月以内」か「引渡しの申出から50日以内(特定建設業者の義務)」のいずれか早い日で下請さんに代金を支払わなければなりません。
以上のように元請さんの支払のルールは建設業法で決められているのです。
これは、下請さんの経営が不安定にならないよう保護することと、手抜工事、粗雑工事、労災事故を防止するためです。支払いについて元請さんの責任は重いものです。
元請さんと下請さんの方々にとって、今回のお話が少しでもお役に立てればと思っています。
本日のお話は以上です。元請さんの支払についてのお話でした。
次回も元請さんと下請さんの関係のお話で、「工事のやり直し」についてお話をしていきたいと思います。
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